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これまでありがとうございました。

  • 執筆者の写真: Nezumi Fukuda
    Nezumi Fukuda
  • 2016年4月1日
  • 読了時間: 5分

昭島での生活が終わる。

同時に昭島じてんしゃ日和も終わる。

一応、これからは自転車と本というサイトで自転車の話もしていこうと思っている。

http://jitenshatohon.seesaa.net/

それでも、昭島じてんしゃ日和より良い自転車のサイトを作れるとは正直今のところ感じていない。

昭島じてんしゃ日和はとても良い書き物だった。

これからは、夏に山小屋で働いて、冬に海外を走るというのを数年しながら、写真と文を研究しようと考えている。

手始めはアフリカ南部を考えている。

元々、昭島じてんしゃ日和というのは、紙で印刷したフリーペーパーだった。

僕が自転車屋で働き始めて、何となく面白くて作った。

紙の昭島じてんしゃ日和は一年ほどで終わった。

単にプリンタが調子が悪くなってしまったという理由だった。

印刷コストなんかも案外かかった。

昭島シティーでは自転車屋さんで働いた。

そのお客さんたちに適当に配っていたのが昭島じてんしゃ日和だった。

これが案外、愛してもらえた。

ただ、どうしてもお金にもならなかったし、その頃の僕はいろんなことに疲れていた。

南米の旅以上に東京の生活はツラいと感じることも少なからずあった。

でも、多くの人が、昭島じてんしゃ日和の話をしてくれた。

それで、紙で印刷するお金こそなかったけれど、Webでやろうとこのサイトが始まった。

意外と自転車乗りの人っていうのは写真を撮らない。

せっかく良いルートをしていても、さほど撮らない。

それからマップを載せない。

載せても自分の脚自慢のようなものが多かったり、或いは自信がないのか、ルートガイドというのを作らない。

そういうのはとても勿体ないことだと思う。

自転車で走っている中で出会う景色と言うのは素晴らしい。

写真にはどうしても撮れないタイプのすばらしさも多い。

それなのに、初心者の人が楽しむための手引きがあまりに少ない。

一人でも多くの人が自転車のすばらしさに触れれば、多分、世の中もっと楽しくなるのに。

それで、このサイトをした。

このサイトは半分僕の走ったルート自慢だけれど、半分は誰かが行ってみたいと思った時に助けになるようにと思って作っている。

自転車を売る中で、少々不毛に感じたのは、そういうガイドのようなことをしてもあまりお金にならないということだ。

そういうガイドをしていれば、純粋に自転車人口も増えて、自転車屋さんという商売も儲かって、僕もみんなもハッピーなんて最初は思っていた。

でも、教えてあげて詳しくなるほどに、みんなAmazonやWiggleでものを買うようになった。

まあ、気持ちは分かるし、別に責めはしないし、むしろ自転車業界の方がきちんとそういう安売りを統制出来ていないのが悪いんだろうと思っている。

でも、正直な気持ちとしては、人に自転車を売るっていうのは、何だか不毛だなと感じてしまった。

定価で買ってくれるお客さんもいるけれど、そういう人は無理をしている。

だって、安く買えるものをわざわざ気を使って定価で僕から買ってくれているんだから。

そういうのは、やっぱり何か心痛むような、複雑な気持ちになることが多かった。

少し湿っぽい話もしたけれど。

昭島シティーでの自転車の暮らしはすこぶる楽しかった。

奥多摩があって、富士山、秩父。

素晴らしい山域へのアクセスが非常に良かった。

サイトには一部しか書けなかったけれど、近所を少し走るルートから、がっちり一日、体力の限界まで楽しめるようなルート、それから輪行のバリエーションも多かった。

自転車で走っている時には、厄介な仕事の複雑な気持ちも忘れられたし、そこで撮った写真をまとめてこのサイトを構築している時もやっぱり楽しかった。

段々と走りつくしてしまって、休日に走りに行くルートが減った。

つるつる温泉から梅の木峠を登る道は何回走っても良かったけれど、同じルートではサイトに追加できない。(そのくせ梅の木峠のルートのページなんかはきちんと作らずじまいだったけれど。一番好きな峠だったのに)

ちょっとした宿命的な問題かもしれない。

一つの場所に住んでいて、そこから行けるルートには限りがある。

もちろん、行きたかったけれど行けなかったルートもいくつもあるけれど、住み始めた最初の頃には全てが新鮮だったのが、段々鮮度は落ちてしまう。

でも、ルートは詳しくなっているから、かつてより行ってみたい場所は増えている。

難易度なんかが無意味に上がってしまう。

そうなると、気楽な散歩からちょっとした本気の走りへと変わってしまう。

それはそれで楽しいけれど、やっぱり自転車っていうのは気楽なのが良い。

そういう意味では、初心者の一年っていうのは、一番素直に自転車を楽しめる期間じゃないかなって思う。

もちろん、いくら走っても、楽しみ方はある。

でも、昭島じてんしゃ日和っていうサイトを作る上では、最初の2年が一番楽しかった。

子どものようにすべての景色が気持ち良かった。

昭島を離れて、異国の地をまたふらふらしながら考え事をする日々が来る。

昭島の日々は良かった。

ちょっとした人生の夏休みみたいだったと思う。

その日々の中には、きちんと仕事もあったし、家もあったし、サラリーもあった。

家に帰れば好きな本が読めた。

休日が近くなれば、どこを走りに行こうか考えられた。

異性とのちょっとしたドラマもあった。

仕事でつらいこともあった。

総じて良い時間だった。

昭島シティーとそこからの自転車のルート、そして、読者のみなさまに深くお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。

更新はなくなりますが、これからもルートガイドの一助として昭島じてんしゃ日和を時々使って頂ければ嬉しく思います。

アルゼンチンの日々の小説もこちらで公開しているので、興味のある方は読んでやってください。

http://bccks.jp/user/133667

みなさまの健康と良き自転車ライフを心よりお祈り申し上げます。

2016.4.1 福田 鼠


 
 
 

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